大会概要

●第7回全国大会

テーマ:挑め!食べる可能性が光る社会へ

会期:2019年7月7日(日)

場所:横浜市教育会館

大会長:小山 珠美(NPO法人口から食べる幸せを守る会 理事長)

副大会長:大坂 巌(HITO病院 緩和ケア内科

実行委員長:竹市 美加(訪問看護ステーションたべる

副実行委員長:一瀬 浩隆(あい訪問歯科クリニック)


●大会長挨拶

NPO法人口から食べる幸せを守る会

大会長 小山 珠美

 

 口から食べることをサポートすることは、病気からの回復を促進し、生きる力を高めます。さらには、子どもたちの成長発達、口腔機能の維持増進、身体活動低下の予防、低栄養の予防、社会参加などを良好に保つことに繋がっています。超高齢社会における地域住民の健康寿命の延長、フレイル(虚弱)対策、介護予防となり、医療費・介護費用の削減にもなります。何よりも、「人生の最期まで食べて幸せに暮らしたい」という誰もが願う人生のテーマの達成となることでしょう。

 

 しかしながら、超高齢化の加速により、複合した疾患を有し、人生の最期まで口から食べ続けることが困難な人々が増えています。せっかく長生きしても、食べることも禁止され、寝たきりで人生を終えなければならないのは当事者も家族も相当に辛いことです。“少しでいいので食べさせて欲しい”と願ってもその希望が叶わないでいる人たちが多く存在しています。誰もが食べることの価値を知っているはずなのに、その願いが叶わないのはなぜでしょうか? 

 

 今後、食べたい願いを叶えるためには、国民全体の理解を得ることに加えて、多くの物理的・人的支援が必要となります。思いだけでは食べたい願いは実現できません。いわゆる支援できる人材が必須です。そのためには、医療の専門家だけに頼ることなく、生活共同体として一般の方も含めた人材の確保が求められます。地域住民を含め、より多くの人たちが、口から食べることの理解を深め、適切な食事環境の調整や介助ができるような地域一体型の包括的食支援体制の強化です。加えて、食べる支援に手厚い診療報酬や介護報酬の改定、食べる支援の社会的システムの見直し、政策の変革なども欠くことができない重要事項です。

 

 私たちは、その具体的な展開方略として、行政とタイアップした「食事サポーター(制度)」を考案しました。まずは、一般市民を含めた多くの方々に、口から食べることの意義、支援の必要性、誤嚥性肺炎のメカニズムと対応、適切な食事支援方法などの知識を深め、「食事サポーター」となっていただきたいと考えています。その上で、本人のQOLを尊重した食べる支援の制度化が重要だと考えています。

 

 食べる可能性が光る社会へと切り拓いていくために、どうありたいか!どうしたいのか!大切なことをどう行動するか!ひとりひとりが本大会で意思決定をし、挑んでいける大会にしたいと思います。多くの方々のご参加をお待ちしております。